第20週「稼ぎ男に操り女?」
外に出てよく働いて稼ぐ男と、家を守り家事をうまくやりくりする女。
結婚式の来賓の挨拶とかで使われてた言葉なんですかね〜?これももはや死語なんだろうなぁ…
さて今週はいろんな種まき週だったのかな?
ふたたびの東京編は、よねさんついに弁護士に!おめでと〜!!!から始まりましたね。寅子には素直になれないよね、二人の追いかけっこがかわいすぎ!
自分を曲げず、何も変えず、よねさんのままで
「よねさんのままで」というのは本当にずっとこのドラマの希望だよね。
弁護士事務所の名前をどちらの名前を先に出すかで真剣にジャンケンする轟……山田の名前が先に来た事務所の名刺を得意そうに出す轟……お前のフェアネスはどこから来るんだ……😭😭😭 よねが弁護士になっていっちばん喜んだのは轟だったんだろうなと思うとまた泣ける。よねと轟は本当に出会えて良かった、まさに同志。
それにしても女子部同級生の中で弁護士になれたのはよねでやっと二人目なんだね……ほんとうに女性が時代に翻弄された世代だった。諦めなかったよねさんも、寅子と同じくらい希望の星だよ。心によねさんを住まわせている涼子さまにも届いてますように。
さてそんな山田轟事務所に訪ねてきたのは雲野弁護士と岩居弁護士。雲野は、おそらくは長くかかる原爆裁判の、その最中に自分に何かあれば助けてほしいと頭を下げ、よねは快諾する。二組の弁護士が対座する、その中心に壁に書かれた憲法第十四条が見えるのがグッとくる。
第五福竜丸の話が出たのも良かったな。わたしもたまたま見に行ったことがある(船も現存してるんですよ)から記憶に残ってるけど、学校の授業で習うだけじゃ記憶から薄れちゃうよね。ほんとうに酷い事件なのに。
忘れ去られることがないように、同じ過ちを繰り返さぬように、誰かが声を上げねばならん
雲野先生のこの台詞、このドラマの骨子だね……
原爆裁判は実際に結審まで8年かかってる。裁判長やもうひとりの裁判官は異動で交代があるも、三淵嘉子さんだけは最初から最後までこの裁判を担当し続けたそう。この件はドラマ終盤までかかるのかもしれないですね。
一方の家族問題。こちらもまだすっきりしないというか、来週以降もまだ続いていく問題なのかなという感じがしましたね。
だいたい直明も航一も、自分の生活を変える気がない人が結婚だ同居だと先走っているのが、やっぱり自分の特権性に気付いてないゆえだよな〜と思う。
直明は花江に恩返しがしたいというけれど、共働きの若夫婦が同居することで花江にいったいなんのメリットがあるのか……そこらへんをもっと詰めてくださいよ調停員(航一)! 個人的に玲美さんのキャラは好きだけど、この感じで同居するとストレス溜めるのは花江なわけで、試してみてダメなら辞めればいい、というのも建設的に聞こえるけど、やっぱり辞めたい、と言うこともまたストレスがかかることなんだよ〜。そこらへんをね、寅子はわかってない感じがする。
あと航一も航一でね、星家で家族裁判開いて一度がっつり詰められたらいいと思う。お互い独り身じゃないんだからもうちょっと慎重にしてほしい、というかいったん落ち着こ?家族の前でいきなりプロポーズしないで?😂
それに星家でもし寅子が同居するのなら、百合さんも微妙な立場になる、というか百合さん自身がそう思ってしまうのではないかと勝手に心配してしまう。そういうことをな!お前が考えるんだよ航一〜〜!!
このドラマは最初から一貫して社会の問題と家庭の問題を両輪で描き続けている。それはきっと、そのどちらもが個人の幸福に深く関わるから。なにか小さなことが解決してもほかに問題は山積みで、わかりやすいゴールなんてない。それでも朝は来るし、人生は続くから、昨日よりマシな明日のためにもがき続けるしかないんだよね。
そしてそんなこんなが一気にふっとんでしまったのがラストの轟と恋人の一幕でした。
何はさておき、轟がまた恋をすることができたことを祝わせてください…😭😭😭 しかも思いが通じたなんて、ほんとうにおめでとう😭😭😭
しかも轟の性的指向を知らない寅子に彼を恋人として紹介すること、そのことの了解をアイコンタクトで得ること、そのすべてにこれ以上上がりようがないと思っていた轟の株がまた上がりました……。遠藤さんのことはまだよく知らないけど、轟が好きになった人ならぜったいいい人に決まってるよ……😭
ただね、よかったねよかったねでは済まないのがこの社会なわけで。予告の台詞からしても婚姻の不平等に踏み込むんだなと思ったけど、そもそも同性愛者であるとが周囲にバレたら、轟も遠藤もおそらく社会人としての信用を奪われてしまう、そんな社会。やっぱりどうしたって、個人の幸福と社会は切り離せない。
「個人的なことは政治的なこと」というのはフェミニズム運動のスローガンだけど、とらつばを見てるとほんとうにそうだなと思わされる。家庭内のことも、より個人的なセクシャリティのことも、社会とは無縁ではいられない。
いまだセクシャルマイノリティへの差別があり、同性婚も認められてない2024年でほんとごめんなさいな気持ちでいっぱいなのだけど、現実の社会を少しでも変えたい、その後押しをしたいという制作側の気持ちはすごく伝わってくるし、それをめちゃめちゃ応援したいです。
脚本の吉田恵里香さんは、チェリまほ、恋せぬふたり、生理おじさん、きみはな、とわたしが見てきた限りでも必ず作品にセクシャルマイノリティのキャラクターを登場させる方で(ちぇりまほのみ原作あり、他はオリジナル)、「恋せぬふたり」では身近な人たちからの差別は描かれたけど、(おそらくとらつばで来週から描かれるだろう)社会構造としての差別、不平等をがっつり描くのは本作がはじめてなんじゃないだろうか? もちろん脚本家さんだけの意向ではなく制作チームとしての総意であるとわかってるけど、それでも過去イチ視聴者の多い枠でこれだけの差別問題をガチンコでぶつけてくる吉田さんに惚れ直します🫶
来週は中村中さんも出演されるとのこと。どんな役かはまだわからないけど、トランスジェンダーを公表されてる方が映像作品に出演されること自体が少ないなか、朝ドラに出演というのはかなりエポックメイキングなことだと思う。ほんとに今ネット上のトランス差別がひどすぎて心配だけど、ちゃんと守られた場で当事者が出てくることはきっと大きなカウンターになると思う。何もできなくて心苦しいけど、心から応援します!!!
今週はあらためて、個人(家庭)と社会は切り離せないのだという、このドラマのベースに気付かされた。と同時に、このドラマの終わりがそろそろ見えてきたな…というのも感じてしまって淋しい。長く続いた原爆裁判後は、三淵さんは再び家庭裁判所の道に戻るし、少年法適用年齢の議論にも深く関わるのでそのあたりもぜったい見たいんだけど、うぅ…あと一ヶ月ちょっとしかない…😭 終わるのは寂しいけど、最後までテーマみちみちで、ほっとする間もなく駆け抜けてくれそうで楽しみです!
とりあえず来週は女子部再集結だ〜〜〜👏👏👏
第19週シナリオふりかえり
稲さん、ライトハウスの常連さんたちとすっかり仲良しなのうれしい☺️
やっぱり入倉がランチに参加することを快く思ってない航一だった😂
ライトハウスへの嫌がらせ問題、「正しさだけではどうにもならない」という涼子の言葉がリアル。「正しさ」よりもぬるっと平和な日常に戻るほうが大事。
みさえと仲良くなる先生も生徒もみんな辞めてしまうと…怖すぎ😭
高瀬さんたちに自分と優三の結婚の後悔について語るのはあったほうがよかったな
花江と寅子の夜の会話いいよね。「二人おばあちゃんになって暮らしていく」そんな未来も見たかったよー!
お守りの中の手紙、寅子は当然読んでると優未は思ってたのね。そのあたりちょっとドラマではわかりづかったかなぁ
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