今日は板橋区立美術館に行った。
ここはよく面白い企画展をやってるんですよね。でもうちからはけっこう遠くて、かつ駅から美術館が遠い……。というわけでなかなかにハードルが高いのですが今回は頑張って行ってきた!
前回行ったときは西高平駅から行ったのだけど、美術館のおすすめお散歩ルートを見てみたら地下鉄赤塚駅から行くと途中で植物園があるのがわかったので今回はそちらのルートから。
まずお昼!タイ料理店があるのは良い街だ〜
鶏肉のココナッツカレー炒めのランチ定食にしてみたけど、量が多い!ちゃんとタイ米!そしておいしい!これでフリードリンクもついて880円は安かったな〜。ちなみに夜ごはんの時間になってもぜんぜんお腹すかなかったから1,000キロカロリーくらいあったんじゃないかと思ってる。
入り口がすでに良かった😂
おなかいっぱいになったところで元気に美術館に向かって歩いていく。知らない街を歩くのはいつも楽しい。個人商店がけっこう生き残ってるのがいいな、ここに生まれて育ってたらどんな人生だっただろう、池袋まで10分ほどなのでけっこう便利だよね、なんて思いつつ歩く。
……が、美術館ほんとに遠い……普段歩かなさすぎるのでバテるのも早い……😭(駅から徒歩25分)(25分て)(駅前からコミュニティバスが出てるのでランチしたあと駅まで戻ればよかったのだ)
そんなバテバテ状態でまず植物園へ。植物園の中も歩かなきゃいけないじゃん!という当たり前のことに半泣きになりつつがんばってぐるりと一周回った。けっこう広い。あと1ヶ月後くらいに来たらたくさん花が咲いてるだろうな〜
そしてやっとお目当ての「シュルレアリスムと日本」展!!!
去年はいくつかキュビスムの企画展を見て面白かったので、その流れでシュルリアリスムにも興味が湧いた。キュビスムは「解釈」、シュルレアリスムは「精神」ってかんじだ(大雑把すぎる)。キュビスムとシュルレアリスムはぜんぜん違うものだけど、どちらも鑑賞しながら作品と対話しているような気がするので好きだ。返事はもらえないので対話じゃないかな? でも返事がほしいと思いながら見てる。パッと見ただけではわからない。考えなきゃいけない作品はやっぱり見応えがある。ちょっと疲れるけどね。
今回の展示を見てシュルレアリスムの、自分の内側に向かう、その歯止めのなさもちょっと怖いけどとても魅力的だなと思った。とくに戦中戦後の作品には感情のにじむ心象風景も多く、じっくり向き合いたいと感じた。
シュルレアリスムは戦時下に共産主義との関連を疑われて検閲の対象になったそう。治安維持法違反によって逮捕された画家もいる。人は「わからないもの」におそれを抱くんだろうと思った。良かった作品をあとでググったら戦争中に亡くなってて絵画数点しか残せなかった若い画家も多かった。つらい。
初期の作品の中に三岸好太郎の作品もあった。三岸好太郎といえばその妻の三岸節子についてのドキュメンタリーをNHKで見たことがあって印象に残ってる。節子ももともと画家だったんだけど、浮気三昧で家庭を顧みない好太郎の影で家族の世話に追われ絵を描く暇もなかった。結婚から十年後に好太郎が31歳の若さで旅先で死去し、ふたたび節子は絵を描けるようになって大きな賞をもらったりもするのだけど、夫を食い殺した悪妻と噂されて業界から冷遇された。そんなあれこれを知っていたので「お前かーーー!!!」という気持ちで絵を鑑賞しました😂
この企画展、このボリュームで鑑賞料金なんと650円なのが信じられないんですが、さらにこういうチラシ(アート書籍を多く出しておられる杉全美帆子先生作!)も無料でくれるのがうれしい。図録もほしくなっちゃったけど場所とるのよねぇ…でも買えば良かったかな…なんて今も思ってる。
展示作品、同館所蔵のものが多いのは気付いてました。ひとつのテーマでコツコツと集め、ひとつの展覧会を開く。ほんとうに素晴らしい到達点だと思う。こういう美術館が増えてほしいし、公金も文化施設にもっと注ぎ込んでほしい。こんな素晴らしい展覧会を650円で見られる体験をもっと広げてほしい。
帰りはすぐ近くの郷土資料館もチラ見。小山みたいな城址もあるし、充実した美術館も資料館も植物園もあるし、赤塚はよい町だな〜なんてことを思いつつ、帰りはすこし近い西高平駅から帰りました。
よく歩いて楽しい日曜日でした!