『心の傷を癒すということ 劇場版』をチャリティ・オンライン配信で見ました。
NHKで放送されたドラマ版は放送当時見てたんですが、劇場版は未見だったので無料配信嬉しかったです。見終わって募金もしました!
『心の傷を癒すということ』は、精神科医・安克昌の人生と彼が向き合った阪神・淡路大震災の被災者の心の傷についての物語です。
脚本は『舞いあがれ!」の桑原亮子さん。このドラマ、やっぱり難しい題材ということもあってキャスティングされてる役者さんたちがみんなめっちゃめちゃうまいですよね……見ごたえがあります。
オノマチはやっぱり演技で年齢の変化を見せるのがうますぎるんだよな〜。朝ドラ『カーネーション』でこの年齢の変化を的確に演じ分けていたことをまた思い出しました。
濱田岳さんねぇ、なんなんでしょうね。一瞬で場をさらっていきますよね。すぐ泣かされちゃう。『探偵ロマンス』の再放送お願いします。
あと患者さんの一人だった谷村美月さんも、張り詰めた壮絶な表情に胸がぎゅっと掴まれました。
そしてもちろん主演の柄本佑さん。朴訥とした優しいキャラクターがお似合いでした。劇場版ではカットされてたけどドラマ版ではジャズピアノを弾くシーンがあってすごい素敵だったんですけど、えもたすさんご自身で練習して撮影に挑まれたそうです。インタビューで「この作品を安先生の家族にプレゼントしたかった」と仰ってたのに泣けました。
NHKは『その街のこども』と本作を毎年一月に流してください。ほらほらせっかくいいもの作ったんだから!出し惜しみしないで!
このドラマの原作でありモデルの安先生のご著作である『心の傷を癒やすということ』を今読んでます。大きな自然災害による心の傷ってほんとうに複雑で難しい……。
家族との死別を体験した方への心のケアについては、朝ドラ『おかえりモネ』のこと、とくに及川家のことを思い出しました。
(以下引用)
死別体験直後の強い感情の嵐は何年たってもおさまることなく、内部で吹き荒れているのである。そしてその感情は、周囲に対して何年も隠されている。
親が被災で傷付いているとき、どんなに明るくふるまっていても子供は傷ついている。その事に気づき、親の役割をサポートし、家族を社会的孤立から救うことが、なによりも必要なことなのである。
今回の震災で「復興」という言葉が使われていますが、その言葉は嫌いです。私たちみたいな者にとっては、壊れたものは壊れたものとしてそのまま残るんです。心の傷は残ったままなんです。壊れたものや亡くした人を蘇らせることなんてできない。やり直すのではなく、また新しいものを作っていこうとしなければいけないんだと思います。
(『黒い虹 阪神大震災遺児たちの一年』より、妻と娘を亡くし、男の子の赤ん坊と生き残ったある男性の言葉)
(引用終わり)
能登半島地震で被災された方々、サポートに行かれてる方々が適切な心のケアを受けられますように。そして一日でも早く落ち着いた生活に戻れますように、と祈ってます。