「吉田寮」裁判の判決が出たというニュースを見て、ひさしぶりに『劇場版 ワンダーウォール』を見ました。
NHKドラマとして制作されのちに劇場版も公開された『ワンダーウォール』は、近年では『エルピス』が記憶に新しい脚本家・渡辺あやさんのオリジナルストーリーです。
百年以上の歴史を持つ古い学生寮を舞台に、建て替えを強行しようとする大学側に対し、「対話」による解決を望む寮生たちの葛藤を描いたドラマで、実在する京都大学の吉田寮を題材にしています。
学生寮というあまりに小さな自治領の存続問題に、市民の声を無視して権力側の決定事項だけがまかり通ってしまう社会を重ね、その正当性を問うシンプルに社会派な物語ですが、チャーミングな若いキャラクターたちが愛おしい青春の物語でもあります。
このドラマが放送されたのは2018年。それから6年経ったけど、毎日いろんなニュースを見ながら、
「経済至上主義が社会の幸福にとって本当に得策なら、若者の自殺とかこんなに増えないと思うんですよ」
というこのドラマの台詞を何度も何度も思い出しています。
今回の判決はとりあえずよかったです。「大学」という権力と闘うことはほんとうに大変なことだと思います。
大学側が翻意し、「対話」による解決の道を選んでくれることを切に願います。
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