LUUPというものをご存知だろうか。都市部や一部の観光地などで展開されている電動キックボード、電動自転車シェアサービスである。シェアサイクルのサービスはいくつかあるが、電動キックボードのシェアサービスは珍しい。薄い青緑のカラーが特徴的の電動キックボードを見かけたらほぼ間違いなくLUUPである。
ここ最近になってよく見かけるようになったと思ったら、ポートの設置エリアがどんどん拡大されているらしく、存外近くにもポートがあることが分かった。ということで意を決して登録してみたのであった。主な設置都市は東京、横浜、大阪、名古屋であるが、地方でも観光地などでスポット的に設置されている場所がある。雪が積もったときのリスクが高いからか、北陸や東北以北では設置されていない。都市部の料金体系は(2023年12月現在)30分ごとに200円が基本(大阪は別体系)であるが、地方はそれぞれ時間・料金が設定されている。
30分で200円というのは別に安くはないよなぁというのが料金を見たときの最初の印象であった。東京は公共交通機関が発達しているので、電車で200円もあれば30分もかからずそれなりに遠くまで行けるのである。同一会社内なら7kmとか10kmくらいであろうか。目的地が駅に近いとかなら電車を使うだろうし、そもそも東京都心はそこら中に駅がある。多少待ち時間はあるだろうがそれでも時刻表を見ずに駅に行っても問題ない程度には本数も走っている。
と、思っていたが、これはあくまで同一の鉄道会社で乗る場合である。他社路線に乗り継げば容易に300円を越える。それに東京の鉄道路線は山手線の外側はおおむね放射状に伸びているため、都心に向かう⇔離れるの移動はしやすいが、逆にそうでない移動は鉄道ではしづらい。その特徴的な例は、渋谷の西にある世田谷区の下北沢~三軒茶屋であろう。
下北沢から三軒茶屋に鉄道で向かおうとすれば、小田急で南西に進んで豪徳寺まで行き、東急世田谷線に乗り換えて向かうか、京王井の頭線で東に進んで渋谷まで行き、東急田園都市線に乗り換えて向かうかである。いずれも大回りするルートになり、時間は乗り換えがスムーズに行けば20分程度だが待ち時間を考えると25分くらい、運賃は合計300円程度である。
では下北沢~三軒茶屋を直接結ぶ公共交通機関はないかと言われるとちゃんとバスが走っていて、この運賃は220円である。そう考えると、この区間をLUUPを使って移動するのはけっこう合理的ではないだろうか。距離は2~2.5kmといったところなので早ければ10分くらいで着いてしまう。バスを待つ時間も必要ないと思うとかなり良い。こういった感じで、ある区間の移動に関しては電車よりかなり便利に移動できることがわかる。注意する点としては、土地勘がないところを走ると普通に迷うということである(経験談)。
さらにこれはLUUPに登録してから知ったことであるが、満車かそれに近いポートにはクーポンがついていて、そこから出発して別のポートに行く場合は料金が25%オフになる。また返却するポートも空かそれに近い場合はクーポンが着いていて、そこで返却すると25%オフになる。両方満たせば50%オフになる。うまい需給調整だと思う。
電動キックボードの乗り心地は思ったよりいい感じである。漕がなくてよい分電動自転車より楽かもしれない。また、車道が危なくて人の多い歩道を行かなければならない場合は手押しで行くことになるが、乗車⇔手押しにすぐ切り替えられるのも電動キックボードの利点だと思う。ちなみにLUUPの電動キックボードは最高時速が20km程度までしか出ないようになっている。スピードが出過ぎると危ないが決して遅くはなく、このくらいでちょうどいい。
そんな感じで、数回使ってみたがまあまあ満足度が高いので機会があればまた使ってみようと思う。最近はカーシェアだったり、移動手段のシェアも増えてきている。所有する時代から共有する時代への移り変わりを感じる。