ムルさんお誕生日おめでとうございます。
5年目BDカードのフレーバーテキストはみな2部前提で味わい深い。賢者の語りだと仮定すると「お別れも言えずに、さよならしたあなた」は植物園のムルをさしているのか。BDカードを自引きできてないのでカードストーリーは不明。4コマは意外な組み合わせで面白かった。テーマ曲はR&B調?で、やや『欲望と祝祭のプレリュード』を彷彿とさせる。
ホームボイスは、北師弟がムルに向けるわだかまりやシャイロックの迂遠な言い回しをはじめ、見所が多かった印象。
枕草子?(ものすごく意訳すると「来年もあなたといたい」というLOVEの句なのかもしれない。)
「建設的」で締めるあたりがめんどくさい合理主義者という感じで嫌いじゃない。
本人はというと、2部後=植物園の魂の欠片を取り込んだことによるものか、旧ムルにかなり近づけた演技プランだったように感じた。それでいて魂が砕ける前の自分とは“別人”であるという不可逆性を念押ししている。肉体の死こそ免れたとて、魂が砕けた時点でかつてのムル・ハートは死を迎え、同じ肉体の中で産まれ直した。『哀れなるものたち』(最近観た映画)のベラよろしく屍に胎児の魂を宿したようなもので、それはどれほど酷似した魂であってもかつてのムルを復元したものではない。そのことを前向きに捉えているのがムルのムルたる所以とも言える。
誕生日ホームボイスの中で、個人的に興味深かったのがカインで、ムルがある意味「読み間違い」をする珍しいパターン。自分とカインとの仲(単なる仲間同士に過ぎず個人的に特別親しいわけではない)ならば誕生日を祝うのは「必然性が低い」と判断し、当のカインにこれを否定されるのだけれど、ムルは誕生日を祝うことの必然性は親密度に比例すると考えていて、カインは相手との親密さに依らず仲間との絆を深められる機会を重要視しているということかも。
インパクト大賞はゲーミング眼鏡レノックス。ファウストなら無視しそうなことも、レノックスは律儀に期待に応えてくれる。