トンビ

hitokoto
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トンビという作品を見た。

組み立て式の2つの機会を使って、その場で映像を創って映し出しながら、その場で音楽を演奏するという舞台。ステージ上には40人程度の観客と、作品を創り出す夫婦のアーティストとその子ども。子どもは今日が初舞台らしく、まだ5歳らしい。

俯瞰で物事を見るということ

投影された映像は、4層になっている透明な板と、その下にある動く布を、上から映した映像だった。

今、この記事を書いているのは電車の中だけど、窓の外を景色が横に流れているように、映し出された最下層の布は、トンビが上から見た視点で、地上が動いているように感じた。4層の板の上では、回転する動作を行う演出もあり、それはトンビが空の上で旋回する様子を思わせた。

世界が作られる様子と、幾度となく壊される様子。その作っては壊すという繰り返しの中で、前半はビックバンや地殻変動などによる宇宙や星の鼓動を、後半は人間によって壊されていく世界の様子が感じられた。あんなふうに、時間と言葉を越えて俯瞰して見られるその感性に感動した。

夫婦は香川県の豊島というところに移住しているらく、ごみの島と呼ばれたこの島のでの問題を表現している部分も感じ取れた。人間が作ったもので、環境が壊されていくこと。豊かな島と書くその島に集まるごみを、見ないふりはできなかったのかもしれない。

木を積んで遊ぶように、世界を創る

今回初めて参加した5歳の子どもが、すごくいい味を出していた。冒頭に登場し、「世界は繰り返す」というような詩を読みながら、積み木を組み立て、そして壊す。悪意もなく、ただただ無邪気に遊ぶように積み木をする子どもを見ながら、私たちが暮らす世界も、積み木のようなものなんじゃないかと思う。

この描写は、宮崎駿作品の「君たちはどう生きるか」でも同じようなシーンがある。

その世界で、私はどう生きるのか。

手の届く範囲でより良い社会に貢献していきたいし、星の豊かさを次の世代に繋げていきたい。

@hitokoto
旅をする日々