あの日から13年

hitokoto
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今日は新しい番組撮影のために、いつもより早い電車。遠くにくっきり山が見える。風もないし、いいシーンが撮れそうだ。

今日は3月11日。東日本大震災から13年の月日が経った。

習慣の話

昨日は女子サッカーの試合の撮影だったんだけど、1時間早く会場に着いてしまったから、ぼーっと試合前の練習を眺めていた。キーパーの練習を見ながら、勝つために守り続けるって献身的な性格じゃないと続かないだろうなんてことを考える。そして、スポーツ選手の習慣について考えたりした。

スポーツ選手の練習メニューや食事環境は、自主練や睡眠時間を除けば仕事として与えられていて、結構管理されている。それははちろん勝つための環境として提供されるものなんだけど、その生活パターンが人間的に良いパフォーマンスを発揮することにつながっているんじゃないかと思う。スポーツ選手としてではなくて、人間として。

定期的な健康チェック、運動習慣、自分の時間の確保、明確なゴールを目指すチームへの所属、具体的に示されるスキルアップのための指導、栄養管理、感謝を感じられる環境など、どれもこれも人間形成には大切なものばかりだ。スポーツをしてきた人が社会人になっても重宝されるのは、これらを経験してきたからなのかもしれない。

私も引退してからは会社員や公務員を経験したけど、業務として与えられるのは、指定された業務時間とその時間では到底終わることのない量の仕事、そして業務改善まで追加の労働としても求められる。健康チェックは義務として行うだけの形骸化したもので、人間関係も、同じゴールを目指すいう連帯意識も希薄だ。もしかしたら、求めるものが高いのかもしれないけれど、そう感じる。

自分の時間や行動の中に規則性を持たせることを習慣と言うならば、今の私の仕事として与えられる時間の中に「人としての良いパフォーマンス」をするための習慣は含まれていない。自分で作らなければいけないことになる。

若いころはその有り余るエネルギーとスポーツで培ってきたものでやりがいと生きがいを創ってきたけど、年と共にそうは言ってられなくなってきた。これからは、自分自身で良い習慣をつけながら、パフォーマンスを高めていかなければならない。

仕事での成果を求めたらきりがないし、成果だけにとらわれていては、仕事は私を豊かにしてくれるものではなくなってしまう。

大切な人や、手の届く範囲の人を幸せにすること。そのためにはいつも機嫌よくいたいし、時間にも心にも余裕を持っていたい。

13年前の3.11は、試合前の食事をチームでしているところだった。あの日から13年が経った。

@hitokoto
旅をする日々