映像クリエイターとしての原体験を思い出した話

ヒツジモチ
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ふと、昔はよかったなどという老害じみた会話をした。ニコニコが栄えていた時代はよかったと。

そこまでニコニコ動画にどっぷり使っていたわけではなかったけれど、そういえば自分が人生で一番忘れられない映像があるとしたら、それはニコニコ動画で見た映像だったことを思い出した。

それはBad Apple!!だ。正確には【東方】Bad Apple!! PV【影絵】だ。

これが投稿されたのが2009年だったが、私が見たのは2012年頃だったと思う。私が高校1年生のときに、友達から教えてもらった。

その時の全身が震える感じを今も覚えている。なぜなら、つい最近久々に見たら、同じようにゾクゾクしてしまったからだ。

今、私はそれから12年を経て、職業:映像クリエイター(インハウス)になった。別に高校生の時に衝撃は受けはしたが、それで映像の道に進もうとは思わなかった。結局映像クリエイターでご飯が食べられるようになったのは半年ほど前のつい最近のことだからだ。それでも、私は大学生くらいの時から映像の周辺をウロウロしていた。

薄ぼんやりと、映像を作っていると人を感動させたいという欲求を常に持っていること感じる。

今の仕事はそういった感動させるのとはちょっと違うビジネスライクな映像に携わっているので、それで直接感動を与えることは難しいが、頭の片隅で Bad Apple!! のような映像を作りたいとずっと思っている。

ただ、あれは15年も前の作品なのに、その作品を作れと言われても作れる気がしない。

After Effectsも、Blenderもあるのに、パソコンも発達し、技術だって身についたのに、あの作品を超えるイメージはつかない。それほどまでに洗練されている映像だった。

3Dの技術的な部分以上にあの作品は映像のつなぎ目と歌詞とのシンクロ率の精度が芸術的で、あれは単なる一過性のバズではない、本当に素晴らしい映像である。

あんな映像が作りたい、数年ぶりに見返して、それを思い出した。

@hitsujimochi
友人とPodcast「コタエナイ ラジオ」をやっています。 Twitter:@hitsujimo_chi 作ったものとか:scrapbox.io/hitsujimochi