あまり人生で少女漫画、または、それを原作としたアニメを見ていなかった。そしてそれと同じようにハーレムものの少年漫画、またはそういったラノベ原作のアニメを好んで見てきてもなかった。そのため、久々に純度100%の少女漫画原作のアニメをみて、おもしろさとは別のドキドキする感覚(たぶん共感性羞恥などに近い)をビシビシ感じてしまった。
少女漫画とは恋愛を軸に物語は進行していく。そのため、第一話から恋愛の片鱗を見せなければいけない。そして、基本的に女性が主人公のため、本命の男性以外に、恋敵のような男性がいくつか登場する。
例に漏れず私が最近見たものも、1話から初めて出会った男性に恋に落ちる。その男性はまた例に漏れず、イケメンで「高身長」だ。この男性だけではない。出てくる男性は基本的に高身長である。身長が低い男性が登場するときは、その身長に意味性が付与されていなければ、登場しない。
私はそれをみていると、巨乳の女性キャラが乱立されているハーレムものを見ているときと同じ恥ずかしさを感じてしまう。これは巨乳を見て恥ずかしく思っているのではなく、「巨乳を見ている自分を他人から見られるときに、男子って巨乳好きだよねとステレオタイプ的なレッテルを貼られているだろうなという視線をその場に誰もいなくてもイマジナリー女性が召喚されて、自分の背後からその視線を浴びせてくると想像してしまうときに覚える恥ずかしさ」である。
簡単に言うと、「どうせこういうの好きなんでしょ」と思われることであるが、それはこういうのが好きでも嫌いでも、一般の枠組みにはめられてしまう、はめられる人間と思われるところにムズムズするのだと思う。
もちろんキャラとして巨乳の女性も、高身長の男性も嫌いではなく、むしろ好きであるが、恋愛という文脈に乗ってくると、いささか刺激的すぎるのかもしれない。物語は最終的にキャラの内面を評価していくのに、結局の見た目の影響を無視できない文脈がのってしまうことに。しかもそれが、先天的な外見となると、その残酷さに私が耐えられないのかもしれない。