よく「完成度6割でもいいから出せば良い」みたいなトークがある。
「出してから改善を進めていけば良い」
「完成度にこだわりすぎて、世の中に出ないなら意味がない」
確かにそうだし "完成度100%のプロダクト" というのは存在できないので、そういう意味では「完成度6割で出せ」という主張は理解できる(かも)
実際のところ自分も完成度8割くらいでブラッシュアップ余地を残してプロダクトを出しているので、それはそんなに批判的ではない。失敗しても後戻りが効きやすいので、経営的にも間違っていないと思う。
でも、何かをリリースする時点で「自分の納得度100%」のものを出していないと、いろいろダメだとも思う。
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● 納得度100%ってなんだ?
"完成度"は客観的な尺度。
"納得度"は主観的な尺度。
納得度100%というのは「自分の中でちゃんとやり切ったかどうか?」という状態のこと。自分のものづくりのプライド感覚において、悔いのないものをちゃんと世に出せているか?ということ。
なので、これは経営者目線ではなく、クリエイター感覚(ものづくりのプライド的なもの)の話になっているかもしれない。
自分が納得できないもの(納得度6割のもの)を世に出して「いいだろ?」「使ってくれー!」って推し進めるのって、普通にダサいと思ってしまう。
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● 完成度60%でも、納得度100%になるタスクは結構ある
日常の業務を振り返ってみると、完成度60%でも納得度100%になることは割とある。それは自分がそんなにプライドを持ってない領域に多い。
返信のメッセージ送る時
お知らせをSNSで出す時
マニュアル的な記事を書く時
そんな時も完成度100%にいちいちこだわってる必要はそんなにないというか、あんまり気を張ると疲れてしまいがち。
だから「この返信タスクは完成度60%あればOK。それで十分伝わるし、別に相手にも迷惑がかからない。」みたいに、あらかじめ完成度を選んでからタスクに向き合うことが多い。
そういうクリティカルじゃない物は積極的に完成度6割で出すし、それで納得度が100%を確保できる。
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● 完成度80%以上じゃないと、納得度100%にならないものがある
逆に「本気でこだわらないと納得度が100%にならん」という仕事がある。
デザインの1pxまでこだわりたい
使いにくいところは全部直したい
心地よく使える体験作りを追求したい
そういったこだわりが強い分野において「完成度60%でもいい」はあり得ない。というかプロ領域でそんなことをしてると、仕事がなくなる。
「さすが〇〇さんが作った物だね」
と言ってもらえるような、プロ意識の高いものづくりを続けるが大事(やりがい)だと思っている。そのためには、やっぱり初期段階で完成度80〜90%は必要だし、そこは妥協してはいけない。
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● 「完成度6割でいい」はケースバイケース
インフルエンサーが「完成度6割で出せ!」なんていうから、そんなプライドないモノづくりが結構増えてるのかななんて思ってる。
製品・コンテンツを作るプロの仕事としては「完成度が低いもので稼ぐのは恥」だと思う。ちゃんと完成度8割以上・納得度10割でやってこそ、いい作り手だなって僕は思う。
まぁそうはいっても世の中は別に変わらないので
自分はそういうモノづくりを続けるし、尊敬できる作り手の製品・サービスを大切に使っていきたいと思う。おわり。