法律は「はて?」に満ちている(2024/4/10)

homachimaru
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公開:2024/4/10

三寒四温ならぬ朝寒昼暑なので、朝はTシャツの上に、ボタン付きの長袖シャツ、カーディガン、ジャケット、薄手の首巻きを重ねて出かけたのだが、何となく平安貴族みたいな気持ちになっていた。重ね着する君へ。

 

昨日の日記に書いた通り、国立国会図書館デジタルコレクションで六法全書を検索した。ちょうど昭和6年と昭和23年の六法全書が結果に並んだので、両方の民法の第十四条から十八条を比較して見た。昭和23年版では全て〈削除〉となっていて、ここに至るまでの戦いを今まさに『虎に翼』でやっているのかと胸が熱くなった。

ところで、気になっていた価格のことであるが、昭和6年発行の「普及版 帝国六法全書」の定価は2円だった。発行所は有斐閣で、普及版ということは、今で言うポケット六法みたいなものだろうか。当時の1円は現在の約2,000〜3,000円に換算されるらしいので、その中間の2,500円を取れば、この普及版は今であれば約5,000円と考えられる。ちなみに「ポケット六法 令和6年版」は、税込2,420円である。他にも、昭和一桁の年に発行された六法全書について何冊か金額を確認すると、日本通信大学出版部発行の「最新六法全書 昭和5年度版」が定価4円80銭だった。今だと大体12,000円前後だろうか。感覚的にはもう少し高いような気がする。今年版の六法全書が税込15,620円なので、やはり専門に学ぶ人や仕事にしている人でなければ、いささかお手頃とは言い難い価格だと分かる。

この「最新六法全書 昭和5年度版」には、弁護士法が収録されていたので、そのページを開いて最初の方を読んでみた。第二条が弁護士になるための条件なのだが、その第一に「日本臣民ニシテ民法上ノ能力ヲ有スル成年以上ノ男子タルコト」とあった。この文言から「男子」が削除されるのは、一体何年後になるのだろう。『虎に翼』で、女子部の先輩の嘆き、よねの怒り、寅子の疑問が解消されるまでにどれだけの時間が必要なのだろう。