スーパーで買い物を済ませて、セルフレジで精算をしていた時、何となく紙幣投入口の方を見ると、「新紙幣対応」と書いたシールが貼ってあった。
そういえば、7月から新紙幣に切り替わるんだっけ、随分先のことのような気がしていたけれど、もうすぐじゃないかと少し焦る気持ちになった一方で、まだ発行されていないのに既に新紙幣に対応できるとはどういうことなのだろうという疑問が湧いた。この機器の開発現場を見てみたいとも思った。
新紙幣と言えば、気になることがもう一つある。新一万円札の肖像が渋沢栄一になるにあたっての呼び名である。現在の一万円札を指して「諭吉」と呼ばれているように、新一万円札も同様に「栄一」と呼ばれるのか、それとも「渋沢」なのか、それとも単に「万札」か、一体どれが定着するのだろう。
それにしても、40年間一万円札と言えば諭吉だったことに改めて驚いている。千円札は夏目漱石から野口英世に、五千円札は新渡戸稲造から樋口一葉にと、途中で変更されたのに、一万円札の肖像は40年間変わらず福沢諭吉が君臨し続けていた。
しかし、この40年、バブルが生まれてあっという間に弾けてからの失われた30年という、思い返してみればあまりにも不毛な時代だった。今もなお、諭吉が来ても、あっという間に去って行ってしまう。栄一の時代はどのような世の中になってゆくのだろう。個人的には、もう少し給料が上がって欲しい。