昨日、「ブラタモリ」奈良・正倉院回を見ながら、X(旧Twitter)の方で久しぶりに実況ツイートをした。実況と言えば、ポストではなくツイートの方がやはりしっくり来る。それはさておき、その時のツイートをあちらで流しっ放しにするのは少し惜しい気がしたので、こちらでざっくりまとめておくことにした。
正倉院に代表される校倉造は、外気の湿度によって外壁に組まれた木材が膨張したり収縮したりして室内の空気の調整に寄与していると小学生の頃に習ったけれど、今ではその説は否定されている。今は外壁と宝物を収納する箱によって、外気の温度や湿度の変化から宝物を守ってきたという説が有力である。現在の正倉院には宝物は保管されておらず、明治時代に設置されたというガラスケースだけが空の状態で置かれている。でも、もしかして、このガラスケースだって今はなかなかの文化的価値があるのではないか。そんなことを思った。
「塵芥(じんかい)」という、正倉院の中で発生した塵や埃が集められたものについての話がとても興味深かった。これらの中から宝物の一部が見つかることもあるという。塵芥の全ての調査が終了するまで、一体何年、いや何十年何百年かかるのだろう。学問って、こういう調査や研究をコツコツと積み上げてゆくものだということを再認識させられる。
正倉院の内部に迷い込み、そのまま生涯を終えミイラとなった貂も、虹龍と呼ばれる宝物になっている。そう思って見ると、何やらありがたい存在に感じられて来るから不思議だ。
防火対策についても古代から徹底されている。過去に一度、鎌倉時代に落雷による火災が発生し、当時の焼け焦げ跡がある。正倉院そのものからの発火の可能性はごく低いため、周辺の火災により飛散する火の粉から正倉院を守るということに重点が置かれている。1400年に渡って維持されてきたことの、重みと凄みがひしひしと感じられる。
今回のブラタモリを見たら、正倉院展というか正倉院をまた観に行きたくなってきた。今度行ったら放水設備もくまなく探索してみたい。
「ブラタモリ」のレギュラー放送があと数回で終了するのは本当に寂しいね。