前回の『坂の上の雲』を観た後、正岡子規の日清戦争の従軍日記があったはずだと思い、ふとそれが読みたくなった。確かそれが収録された岩波文庫本を持っていたような気がしていたのだが、私が持っていたのは『仰臥漫録』だけであった。岩波書店のホームページで確認すると、子規の日清戦争従軍記録の『従軍紀事』は、現在発行されている岩波文庫であれば『子規紀行文集』に収録されていることを知った。電子書籍にも対応している。
電子書籍と言えば、青空文庫にも『従軍紀事』が収録されていることが分かった。こちらであればすぐに読めるので、ざっと目を通したところ、冒頭から軍師団兵站部によって新聞記者に対する待遇がまるで違うことや、軍人は新聞記者を自分たちより格下に見ていることなど、扱いの酷さにかなり怒っていた。子規は、この従軍後に帰国してから急激に肺の病状が悪化した。従軍したこと自体子規の身体に相当の負担がかかった上に、この時の軍の新聞記者に対する待遇の悪さもそれに拍車をかけたとも言われている。
そういえば、岩波文庫から2022年に『正岡子規ベースボール文集』が刊行されている。ベースボールとは野球(のぼーる)である。ということは、強引に直訳すると『正岡子規のぼーる(昇)文集』となる。こりゃあ、のぼさんののぼーる文集じゃ。
なおこちらは電子書籍に対応していない。