暖かい靴下を求めて、靴下の専門店に寄った時、サンタクロースにクリスマスプレゼントを入れてもらうための靴下が売られていたので、思わず手に取った。子どもの頃にクリスマスプレゼントを入れてもらったことも、子どもへのクリスマスプレゼントを入れたことも無いのに、何故かクリスマスプレゼントのことを思い出す時、大きな靴下もセットになって浮かんでくる。
昨晩、たまたまテレビのチャンネルを変えたところに放送していたワイドショー番組で、オーストラリア議会が16歳未満の子どもによるSNSの利用禁止法案が可決されたことに関する話題をやっていたので、そこだけ見ていた。オーストラリアではSNS利用の悪影響により自ら命を絶ったり、摂食障害などの疾患に苦しむ子どもが多くいたりすることが社会問題となり、それが今回の禁止法案に至るきっかけだったという。
この特集で特に印象に残ったのが、元Googleにいた人の話だった。巨大SNSにおいて、ほとんどのユーザーからお金を取ることは無いのにこれらの企業が何故莫大な利益を上げられるのか、それはSNSのユーザーは客ではなく「商品」であり、莫大なユーザーの個人情報を買う広告スポンサーこそが彼等にとっての本当の「顧客」だからだというものだった。細かい部分は記憶違いをしているかもしれないが、大体そんな内容だったと思う。
ただ、スポンサーが広告料を払うことで多くのユーザーが目にするSNSに広告を出すこと自体は、テレビや新聞、今や公的機関もホームページなどに広告を掲載したりネーミングライツを導入して収入を得ることはあるし、これ自体はSNS禁止に直接つながる問題ではないと思う。問題なのは、SNS運営側あるいはそのスポンサーの意図に沿うようにアルゴリズムを利用し、おすすめを絶え間なく流し続けて、巧妙にユーザーの心理をコントロールすることだろう。本来であればSNS運営側こそ子どもの安全なSNS利用について対応策を講じるべきなのに。
かく言う私も、SNSのメインをBlueskyに置く人が最近急激に増えてきてからようやく気付いたことがある。トレンドやおすすめが強制的に目に入らないSNSはとても風通しが良い。以前から「Blueskyには人がいない」と良く言われているが、今でもタイムラインを見ているだけではそんなに人が増えたような感じは無い。しかし、フィードを見ると明らかに投稿が増えているため、決して人がいない訳ではない。トレンドが無くおすすめタイムラインを強制されないSNSは、Twitter時代に特にトレンドに慣れきった直後には寂しさも感じたこともあったけれど、逆に言えば今までどれだけそれにどっぷり浸かり振り回されていたかということでもある。SNSもリアルの生活と同じように、適度な距離感をもって接することが大事なのだと思う。