入獄した元法務大臣の見た刑務所の世界という記事がBlueskyのタイムラインに何度か流れて来た。最初は読むつもりは無かったのだが、良記事という評判もタイムラインにいくつも流れてきたので、それならばと読んでみた。確かに良い記事だった。犯罪を犯した人たちの再犯率の高さと社会復帰を阻む刑務所の現状と問題点についてこれからの自分にとって取り組むべき課題だと考えている姿勢や、かつて周りのスタッフに対して酷いパワハラを行っていたことを自覚し猛省する態度が記事の文面からも感じられた。
その一方で、昔はいわゆるヤンチャ(実際にはこの言葉では片付けられない迷惑行為や違法行為も含む)して周りの人に迷惑をかけたけれど、良き出会いと周りの支えによって更生し、今度は世のため人のためになるような生き方をしている話を美談として聞いた時と同じような気持ちにもなった。今回この記事を読んだ時も、本人の自覚や反省による考え方の変化とは別に、今後、逮捕され収監された時とは一転して、今度は周りがこの方に対して行き過ぎた持ち上げを始めるのではないかという懸念も覚える。こういった話は更生後の部分のみ大きくクローズアップされて次第に美談化されてしまいがちである。本人はかつての過ちに対して猛烈な後悔と反省をしていても、地元の有権者や被害を受けた側は何年経っても何度謝罪されても言葉では許すと言ったとしても、心の底ではどうしても許すことができないものだ。美談にされて広まってしまえば、ますます地元の有権者や支持者、パワハラの被害者は透明化されてしまうかもしれない。そうならないことを願うばかりだ。