地元紙の一面の下部には、普段から新刊や話題の書籍や雑誌の広告が掲載されている。れっきとした専門書の出版社の本もあれば、ちょっとあれな傾向のある出版社の本もある。まあ書店と同じで玉石混交ではあるのだが、今朝はそんな苦笑レベルのものでは無かった。公職選挙法違反事件を起こして実刑判決を受けて服役していた元法相の獄中日記本の紹介が広告欄全面に顔写真付きで大きく掲載されていたのだ。その顔を見た瞬間、思わずその広告が見えないように、新聞を折りたたみ直した。新聞広告は新聞社とは一切関係無いので、広告掲載については余程のことがない限りとやかく言えないとは聞いたことがあるけれど、それにしても、これは正直あり得ないと思った。
七夕決戦と言われた今回の東京都知事選挙は、結局現職が3回目の当選が確実という結果になった。
それよりも驚いたのが、前安芸高田市長の候補が2番目に多い得票数を得たということだった。今日は『光る君へ』の放送が開票速報特番のため休止となり、本当は先日買った枕草子関連の本を読もうと思っていたのだけれど、この結果の理由が知りたくて、結局特番を見ていた。番組での調べによれば、前安芸高田市長の候補は特に10代から30代の若年層や無党派層からの支持が高い傾向があったと言っていた。選挙期間中におけるインターネット検索でも、この候補者の名前の検索数が圧倒的に多かったという。名前とともに検索された言葉で多かったのが「街頭演説」「YouTube」という言葉だった。YouTubeやSNSを上手く活用し、効果的に若年層に訴えかけられるかどうかで得票数にこれ程影響が及ぶとは意外だった。そして、今後の選挙で、自分が投票するときに気を付けなければいけないところだと感じた。個人的には、この候補に対しては、都知事選に出馬すると聞いた時から地方都市の前市長と言うより一介のユーチューバーだという認識でいたので、そういう人によるバズった者勝ちというような選挙活動を、まるで推しのアイドルやタレントを応援する感覚で若い人たちが多く支持しているのだろうかと想像すると、ちょっと危ういものを感じてしまう。