万年筆(2024/3/31)

homachimaru
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先日、万年筆について書かれた記事を読んで、私も久しぶりに万年筆を使ってみたくなった。

ずいぶん前のことであるが、文房具、特に筆記用具にこだわっていた時期があった。高級感やデザイン性より、価格はお手頃でも書きやすく疲れにくいといった機能性を求めて、あちこちの文房具売り場や雑貨店を巡っていた。そんな時期に購入した万年筆が今でも2本手元にある。

持っているのは、パイロットのカクノとペリカンのペリカーノジュニアである。購入当時、黒インクのカクノは封書やはがきの宛名書きなどに、青インクのペリカーノジュニアは手帳などプライベートなメモ書き用として使っていたように思う。しかし、結局もっと手軽で使いやすいボールペンやマルチペンにシフトしてゆき、いつの間にかどちらも使うことが無くなり、長いこと文字通り引き出しの肥やしになっていた。それらを久しぶりに出して手に取ってみた。

カクノの方はペンと一緒にパイロットのインクカートリッジが何本か残っていた。早速それをペンに差し込み、カートリッジの軸を横から押してみた。そっと押したつもりだったのに意外と力が入ってしまったのか、ペン先からインクがボタッと漏れてしまい、机上に敷いていた古紙の上に落ちた。試し書きをしたところ、ペン先の傷みもインクの詰まりも無く滑らかに筆記できたので、早速ある書類の記入に使用した。

ペリカーノジュニアの方は替えのカートリッジが無かったので、使うとなると、まずカートリッジの購入が必要になる。とりあえず、キャップを外して手に持ち、書く仕草をしてみた。ペン軸に指がぴたりとフィットし、とても持ちやすい。さすが子ども向けの初めての万年筆として作られただけのことはある。このペンで何かしらつらつらと書き綴りたいという気持ちにさせてくれる。実用的というより、ちょっといいノートや手帳と組み合わせたくなるような、書くことそのものを楽しむために使えそうだ。そういえば、当時も同じことを考えて買ったんだったっけ。

更に古い話になるが、子どもの頃、自宅のタンスの引き出しに、長年誰も使っていない万年筆がずっと転がっていたことをふと思い出した。当時はそれを手に取ることすら無かったし、おそらく既に処分されてしまっているだろう。もう少し気に留めておけば良かったなあと、ちょっぴり後悔している。