今日の午後、久しぶりに土曜日昼の『光る君へ』再放送が観られると、『虎に翼』の週まとめからずっとテレビのチャンネルをNHK総合に合わせてワクワクしながら待っていた。ニュースが終わり、いざ!とテレビに目と耳を全集中させた。すると始まったのは平安の物語ではなく、令和の討論会だった。慌てて番組表を見てみると、今日の『光る君へ』の再放送は、この自民党総裁選立候補者討論会の後、午後3時10分からだった。
すっかり『光る君へ』を観るつもりでいたので、何となく気持ちが収まらず、結局NHKプラスで前回の『光る君へ』を観た。中宮彰子に仕え、物語を綴る姿に、ああこれぞ紫式部だと胸が熱くなった。その物語を帝を始めとした宮中の人々が夢中になって読み様々な想いを抱く。光る君や女君たちの姿に、ある人は身近な人に、ある人は自分自身に重ね合わせたり、時には邪推したりする。こうして、『源氏物語』という「物語」を読み思いを馳せる平安時代の人々と、『光る君へ』という「物語」を観て思いを馳せる現代の視聴者が重なる。
『光る君へ』を観終えた後、おすすめに出ていた100カメの『光る君へ』舞台裏を観た。前回放送された曲水の宴の場面について取り上げられていた。スタジオに川の流れと季節の花や草木、雅な宴の場面が組み立てられる様子が事細かに映し出されて、とても見応えがある内容だった。中でも、盃を乗せた鳥の模型が自然に流れてゆく仕掛けが完成するまでの手間と、いざ本番に向けて果たしてそれが採用されるのどうかには、一視聴者の私までほんの少し胃が痛くなりそうだった。この回で初めて一話の演出を手掛けた方の緊張感と苦労にも思わず共感した。しかし、撮影直前になって雨の演出プランを変えた時には、さすがに現場の人が怒る気持ちがよく分かった。この100カメを観た後、午後3時10分からの再放送をまた観た、曲水の宴の場面が更に感慨深いものになった。