ひろしま美術館で現在開催されている、「フィンランドのライフスタイル 暮らしを豊かにするデザイン」展を観た。家具や食器、ガラス製品、テキスタイルと、どれも使いやすそうで暮らしに馴染むシンプルさの中にデザイン性もあり、素材の良さを生かしたものもあれば色彩豊かなものもあり、どれも素敵な作品ばかりだった。今回は特に、ガラス製品に心惹かれるものが多かった。中でも、アイノ・アアルトの《ボルゲブリック》(湖水の波紋)シリーズのグラスや器、カイ・フランクのオブジェ《キウィバード》、オイバ・トイッカのバードシリーズが目を引いた。他にも、竹をイメージした花入れも印象に残っている。フィンランドにもし『竹取物語』があったとすれば、かぐや姫はどんな姿なのだろうか、ついそんな想像をしてしまう。
この展覧会に出展されている作品は全て撮影可能だったため、作品の前に立つごとにカメラやスマホを構える人も多くいて、美術館で鑑賞というより撮影会といった雰囲気もあった。私も何となくつられて、特に好きな作品の写真を何点か撮っておいた。そして、再び展示室の入口に戻り、2周目の鑑賞をした。