新しい憲法と新たな道(2024/5/31)

homachimaru
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公開:2024/5/31

日本国憲法

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

『虎に翼』では、いわゆる1945年8月15日の終戦では無く、1946年11月3日の日本国憲法公布によって、誰もが「個人として尊重」され「法の下に平等」であることが法として定められた日がドラマの転換点になっている。本当に『虎に翼』らしいと思った。新たなきれいな水源が生まれた日こそ、寅子が再び立ち上がり、裁判官を目指すという新たな千里の道へと駆け出すきっかけとなった日として相応しい。

今回、寅子が家族会議を開く前、新しい憲法の条文を書き写している時、縁側で直人と直治が優未と一緒にお手玉で遊んでいたのが、ささやかながら強く印象に残った場面の一つだった。お手玉といえば、昔も今も女の子の遊びというイメージが強いけれど、直人も直治もそんな意識など微塵も感じさせず、ごく自然に優未と一緒にお手玉を楽しんでいる様子が微笑ましく、そして心強く思った。

 

全く余談だが、子どもの頃、3つのお手玉をどうしてもうまく回せなかった思い出が不意によみがえった。あと、ルービックキューブも2面以上色を揃えることができなかったことも思い出した。そういえば、一輪車も私なりにかなり頑張って取り組んではみたものの結局マスターできなかったことまで芋づる式に浮かんできた。今となっては苦笑する程度の事だけれども、当時はそれらがどうしてもできないことにかなり強いコンプレックスを抱えていたなあという話。

芋づる式でまた今日の『虎に翼』のことを思い出した。「竹もと」のご夫婦が無事だったことに心から嬉しく思った。そこで買ったふかし芋を食べようとして寅子に遮られる桂場の姿も、別の意味で微笑ましかった。もしかしたら桂場は、戦後は毎日出勤時と退勤時に「竹もと」のあった付近を通ることを日課にしていたのではないか。きっとそうに違いない。