『虎に翼』を観て、昨日の補足というか、気付きを書く。それは、東京家庭裁判所の事務所の設置作業をしながら、花江が直明に大学の女の子たちの中にいい仲の子はいないのかと言い、それに対して直明はみんなと仲いいよと、花江の思惑とは外れた返答をしていた場面である。このやり取りに、違和感とまでは行かないけれど、少し「おや?」と思った。花江と直明の会話はそこで終わったけれど、直明が会話を打ち切った可能性も感じられたのである。直明がどういった恋愛的志向を持っているかは今のところ分からない。こればかりはドラマの中で本人から、あるいは作者から明言されない限りは、こちらが勝手に思い込みで憶測することはできない。ただ、おそらく先週の『虎に翼』を観て、何も考えさせられることがもし無かったとしたら、この場面に何の疑問も持たず、花江って本当そういう話が好きよねと、私はさらりと聞き流していただろう。
よく、女性に対しては「彼氏いないの?」、男性に対しては「彼女いないの?」という質問が投げかけられる場面を見聞きする。これは一般的にはセクシャルハラスメントにおけるアウトな発言の代表的なものとして扱われる。しかし、実際にはもっと残酷で深刻で差別的で、セクハラという言葉だけでは片付けられない、片付けてはいけない問題だろう。
これまで『虎に翼』のシナリオ集を購入して読んだことはなかったけれど、先週の回は読んでみたいと思った。