しずかなインターネット

日記やエッセイにちょうどいい
文章書き散らしサービス

ログイン

2026年10月5日(月) イワンの馬鹿

homachimaru
·
公開:2026/10/5

今日の朝ドラ『ブラッサム』で、珠が学校で昼食を食べながら図書館で借りたトルストイの『イワンの馬鹿』を読んでいた。珠は「いいんじゃ、いいんじゃ、わしは畑に戻るよ」という小山牛丸の訳が実にええと胸を熱くさせていた。小山牛丸については、調べてみてもモデルとなった人物はよく分からない。ドラマのウィキも見てみたが、登場人物紹介欄にモデルの人物は載っておらず、海外文学の翻訳者で神出鬼没の人物とあるだけだった。どうも架空の人物のようだ。

夜になって、ふと、『イワンの馬鹿』を読んでみたくなった。幼少時に子ども向けに翻案された作品を読んだ気もするが、そうだとしても既に内容はすっかり忘れてしまっている。青空文庫アプリで検索したところ、昭和3年に発行の小学生向け文学全集の外国童話集に収録された菊池寛訳を現代語に改めたものがあった。読み始めたらストーリーのテンポが良く、面白くて30分程度で一気に読み終えた。ひとことで言うと、正直で真面目にコツコツと働く者は最後には報われる話である。確かに現代社会に照らすと、体を使って働く者ほど大いに報われ、そうでない者も求めればおこぼれに預かれるという価値観に少し引っかかりを感じる。「いいとも。いいとも。」と自分の置かれた境遇を何の疑問も持たずに受け入れるイワンの姿にも、今の時代には少し違和感を覚える。しかし、自分の欲望を満たすために悪魔の囁きについ乗せられて破滅する人間の性とは、時代も国も超えて変わらないものだと思った。

@homachimaru
日々のよしなしごとを淡々と綴る。