小学校の同級生たちと久しぶりに会う。たぶん6年ぶりくらいのこと。みんなあんまり変わってなかったし、ほのずさんがいちばん変わったと言われた。わたし以外は高校まで一応おなじだったらしいから、そんなものかもしれない。絶妙に話が弾まなくて、それもまた一興という感じ。わたしは全員丸ごと久しぶりだったから逆に全員とフラットだったけど、ほかのみんなは同じ高校で、別に仲いい人たちがいるのにあえての今日の集まりだったから、そりゃそうであるね。一つ下のみんなにも会った。うちの小学校は複式学級(2学年で1クラス)だったから、一学年上下は結構仲がいい。3人とも妙に後輩スキルが高く、しゃべっていて楽しい。
ほかにも、中学で1年だけ一緒だった子たちとばったり会ったりもした。1年で転校したから、わたしのことなんて覚えてるわけないだろうと高をくくっていたけど、すぐほのずじゃんって言われてふつうにびびった。忘れろよな。
ここから先はまあありがちなというか、みんなこう思うんだろうなってことなんだけど、でも思わずにはいられなかったこと。外見はみんなそんなに変わってなかったけど、経験してきたものが大きく変わってしまったなあと思う。東京や鹿児島で働いてたり、専門学校行ってたり、かと思えばわたしは離れて勉強してるわけだし、あのころの、ただ同じ教室にいただけというそれだけが、もうこんなにも不可能として目の前にあった。いまのわたしの周りには、わたしの周りにいそうなひとしかいなくて、そこにみんなはいないから。そして、あなたのまわりにわたしがいることも、もうきっとできないから。まただ。こんなんばっかりだ。掴む前に逃げてしまう夜の魚を追って、ぐらりと立ち上がる。酔ってるな、と思った。
鳥のイメージ あなたはふつうの人生をふつうに愛してふつうに死んだ/野村日魚子