夜、58歳で逝った山本文緒の闘病記『無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記』(新潮社)を読む。 2021年4月にステージ4bのすい臓がんと診断されて以降、亡くなる10月までのおよそ半年にわたる日記。抗がん剤治療ではなく、緩和ケアを選んだ山本さん。着実に自身に迫る「死」を前に、ひとは何を思い、考えるのか。山本さんは自身の「死」と引き換えにして、我々に知らしめた。作家の業、凄みに、心のなかで深く首を垂れる。 来年は自分も58歳だ。2024年二月ホンスミネコを飼ったことはありません。