20240527 松風

ホンスミ
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 源氏物語「松風」の帖を読む。

 明石の君を迎える準備の余念のない光君。けれども、明石の君はどこまでも奥ゆかしい。田舎育ちの自分など、他の女性たちに比べれば、見劣りするだけだろう。そんな娘を不憫に思い、入道はまずは大堰にある自邸を修理する。大堰というのは現在の桂川のあたりか。これもまた「境界」の意味があるのかもしれない。なかなか境目を越えられない明石の君。その意味するところとは?

 娘を思う入道の気持ちになって読んでしまった。子を思う親の気持ちは千年前も今も変わらない。

@honsumi
ネコを飼ったことはありません。