20240522 鬼の筆

ホンスミ
·

 春日太一『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』(文藝春秋)を読む。

 黒澤明『羅生門』『七人の侍』、松本清張原作『砂の器』『ゼロの焦点』、高倉健主演『八甲田山』など、数多の昭和の名作の脚本を手がけた橋本忍の評伝。めちゃくちゃ面白い。

『砂の器』は原作との異同が多々あるのだけど、当初は映画会社からは面白くないと断られていたとか(結局、橋本自身が製作会社を立ち上げた)、原作では数行でしか描かれていなかった「父子の流浪」のシーンを大幅にクローズアップしたとか、貴重な逸話が次々に開陳されている。どのエピソードもすごく興味深い。

 映画はもちろん、原作のほうも改めて再読しなければ。

@honsumi
ネコを飼ったことはありません。