駅からの帰り道、自転車を走らせてたら、すぐうしろで「げほん」という咳払いが聞こえた。なんだろう?と振り向いたら、ボロボロの服をまとったおじさんが自転車で迫っていた。カゴには大量のゴミ袋。白髪まじりの長髪。首下でたなびいているのはマフラーなのか、判然としない。長い布にしか見えない。 おじさんは、さっそうと自分の自転車を追い抜いていった。抜かれたっ!と思った。 石川淳の「焼跡のイエス」という短編小説を思い出す。2024年二月ホンスミネコを飼ったことはありません。