東浩紀『訂正する力』(朝日新書)を読む。
今の日本の現状は、東氏が書くように〈頑な〉になりすぎているのかもしれない。「訂正する力」とは〈「リセットする」ことと「ぶれない」ことのあいだでバランスを取る力〉だそう。「老いる」ということがまさにそうで、〈同じ自分を維持しながら、昔の過ちを少しずつ正していく〉ことにほかならない。言われてみれば確かにその通り。
ただ〈昔の過ち〉を〈正していく〉というのは、けっこう難しい。老人Xなどを身近で見ていると、改めてそう思う。プライドがあるからか、過去の過ちを認めようとしない。逆に、どんどん頑なになっていく。人間も、社会も、同じ。