『源氏物語』第二帖「帚木」。前半の、男たちによる女性談義は「雨夜の品定め」と呼ばれているらしい。角田版の監修(?)を務めた紫式部学会会長・藤原克己先生の解説に書いてあった。
ところで、この品定めの場面もそうだが、紫式部はどうして「男たち」の場面から物語をスタートさせたのだろう。主人公を光君という男性にしたのも、どうしてなのかしらん? と改めて思う。
現代でもそうだが、往々にして作家というのは、処女作はまずは自身に近い主人公を設定するのが常道のような気がする。もしかして源氏物語以前に習作のようなものを数多く手がけていたのかな。
「帚木」を自身のペンネームとした帚木蓬生が、紫式部の評伝小説『香子』(PHP研究所)を刊行中。全五巻だとか。そちらも読んでみたい。