『源氏物語』「葵」の帖を読む。
光君の正妻「葵上」の死と御子の誕生。六条御息所の生霊、そして紫の上との事実婚などなど、いろいろな「事件」がてんこ盛り。
とはいえ、光君はまったく成長しない(笑) 物語の中心にいるようでいて、じつは光君はこの物語の主人公ではないのでは?と思いはじめてきた。それこそ実体を持たない「怨霊」「生霊」の類のように、当時の女性たちに憑りついている、真っ黒な「影」のような存在のような気がする。「光君」などと名付けたのは皮肉が込められているのかも。
意識してやってるとしたら、メタファーを駆使しているわけで、やはり紫式部おそるべし(笑)