カーテンがひからなくなったから
きっと夜がきたのでしょう
雨戸をしめて
ゆうごはんにしましょうか
スープをつくったんです
さむい冬をのりこえたお野菜をいれて
お気に入りのお椀に
たっぷりよそいます
ごろごろのお野菜は
さじにうまくのっからなくて
お椀のなかをおよいで
にげまわりました
ほんとうはあったのかしら
ぽつんとおもいました
ほんとうは
わたしをすくいあげてくれるさじも
あったのかしら
わたしったらそれに気がつかないで
ずっとちいさなお椀のなかを
にげておよいでおびえて
ようやくたどりついたこのへやは
わたしにぬくもりをくれましたが
さみしさはぬぐってくれませんでした
このスープおいしいねって
だれかにいわれたかったんです
あったかいねって
だれかとわらいたかったんです
でも今夜もやっぱりひとりですから
でもさみしいのはいやですから
明日もまたスープにしましょうか
冬がおわるまでずっと