歩きだすときは左足から

　大切なことをすぐに忘れてしまう

　ほんの数秒前、ほんの数日前のことでも、すっぽり脳の皺から滑り落ちて、思い出せなくなってしまう

　それと同じで、ひとが生きていたことだってきっと簡単に忘れられてしまう

　ふとこわくなってしまった

　せめて、わたしがここにいて、いろんなことを思っていたという事実を形にしてのこしたい。それは絵かもしれないし、小説かもしれないし、はたまた音楽であるかもしれない。その形をつくる日々の足跡を、日記のようなメモのような形でここに記していこうと思う