一面にちらばったおもちゃが
朝10時の光をうけてきらめきます
ブロックの凹凸がつくる影はまるで
夢の生きものたちの隠れ家のようです
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おもちゃをやわらかくつつむのは
クリーム色のシーツ
甥をまもるためにおかれたそれは
全てをやさしくうけとめます
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ブロックは自ら形をかえません
ふたたびうごかされるときを夢みて
ただじっと表面をひからせます
ハチ公のように健気な存在なのでした
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シーツはひとりでに波になります
高く低く波はつづきます
白くしぶきをあげる荒波に
おもちゃたちはたゆたいました
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どこにもいけない海で
おぼれることもない海で
ぷかぷか
まっているのでした