夕日が 川に 溶けかかる 芝生を揺る風 土手を駆け上がる 男が 一人 沈み込む 川沿いのベンチ 丸い背もたれに 夕日は知っている男の祈りと迷いを 川は知っている男の美しさと苦しさを 芝生は知っている男の希望と苦悩を 風は知っている男の儚さと虚しさを ベンチは知っている男の望みと重みを 男はいつか 気づくだろう 自らの信仰に魂の所在地に ゆっくりと待てばいいゆっくりとそのときを 買い物籠を 揺らしながら 男に向かう ほほえみ一つ 詩ひらやま詩の所在地