産まれてきてごめんなさい
どうか赦してください
生きていてごめんなさい
どうか赦してください
熱っぽい頭
ふらつく足
まばゆい街灯
吐く息白む
ひとりぼっちの帰り道
赦しを請う夜陰
自分で自分を赦してもいいのだ
と気づいたのは
二十歳を過ぎてから
意図せず傷つけてしまったり
信じた仲間に裏切られた気持ちになったり
愛した人と別れてしまったり
この世で起きるすべてと気持ちが
時の彼方に儚く移ろい消えていく
何を赦してほしいのか
誰に赦してほしいのか
思い出せないような
曖昧な祈りが沈殿する
ただ あってよいのだ
存在するために 存在してよいのだ
一人で歩いて 冷たい空気を吸っては吐いて
涙を流してよいのだ
信仰の果てに出会うような
確かな手触りを求めて
一人彷徨う