毎夜私は砂浜になって押し寄せる後悔の波しぶきを浴び続ける 声も出さずにああすればよかったかこうすればよかったか脳みそを飛び回るその声は可能性という名前の砂城を建築する思い出が私を踏みつけて足跡を残していく くっきりと建築中の砂城は風と雨と波によってわたしに帰るそしてやがて波に攫われ大海を漂う一隻の小舟になる海面にゆらゆらと立ち上る浮島にとても強い憧れを重ねてすべての砂粒は星に帰る詩十選ひらやま詩の所在地