背中に寝台
目の前には
白い天井
その手前には
透明な天井
人の可能性を遮る
常識という名の天井
さらに手前には
より透明な天井
人を人に押し込める
意識という名の天井
一枚一枚は驚くほど薄いのに
重なりながら ぐんぐんと迫り来る
思わず 目を閉じてしまう
そこにあるのは
瞼という名の天井
逃げ切れないことを悟る
なにをしても どこにいても
迫りくる天井
思わず 怯んでしまう
そこにあるのは
自己の無力を悟らんとする
愚かしさ
気に入らなければ
ぶち壊していいのだ
重たいことが大切だと勘違いさせる
常識
怪物のように無駄に大きく育った
意識
閉じた瞼をこじ開けて
目に映るそれをぶち壊せ