わたしがもったいない
わたしがもったいない
わたしがもったいない
枕をベッドに叩きつける
この世に一つの肉体
この世に一つの精神
賢い頭脳 豊富な経験
類稀なる問題解決能力
それらを兼ね備えたわたしを
巻き込まないでほしい
人間関係の不毛な争いに
解く価値のない課題に
わたしがもったいない
と感じる時間すら
わたしがもったいない
抱える仕事を
煩わしい人間関係を
怒りでキリキリする胃袋を
すべてを投げ打った先に
新天地があるのだろうか
あぁ
わたしがもったいない
そう呟きながら
小さな寿司屋のカウンターで
白イカを頬張る