頭の中味と書き言葉の、その中間が欲しい

ハシガミ
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同級生と喋るのが苦手だった。どこの世界にクラスメイトと天気の話をする愚か者がいる。

おそらく語彙がなかったのだ。本で省略されているコミュニケーションがよく分からなかった。そうだ、中一くらいで「お疲れ様」を覚えた時から、そして高校で「ねえねえ」じゃなくて、人の名前を呼ぶことを知ってから、露骨な疎外感が少しマシになったような気がする。

名作くんの動画を繰り返し見たのが良かった。ノリと高速レスポンスで喋る癖がついた。そしてラジオを聴き始めたのも語彙と話題の引き出しを増やすのに効果があった。書き言葉を組み上げていく前提で思考しているから、相手の意図を咄嗟に投げ返せなかったのかもしれない。コミュニケーションとは何か、遅すぎる課題をようやく消化し始めている。

いつだって頭の中のバラバラになった感情と、文字にして表す言葉の真ん中に位置する言葉が欲しい。それが語るということなんだと思う。

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