音楽のことがからきし分からないのである。(であるってかっこいいのである)
分からないけれど嫌いな訳ではなくむしろ好きです!どう言えば良いかというと……ジャンル名とか分からないしdigる気力もないしそもそも単純拍子かとか変拍子かとかも分からない……そういうぼんやりマンです。
知らないアーティストはたまにクラブに行くのと『この人の話を聞いたり読んだりするの好きだな』という人から覚えます。
今日教えてもらって好きになったのはTigran Hamasyanというアルメリアのひとの曲(本当にジャンルが何なのか分かっていない)
とDon Caballeroというバンドです
マジで何も分からないけど、良い曲を教えてもらったなと思います。『多分変拍子が好きなんだろう』と教わりました。よくわからない!
ずっと好きなバンドを好きになったきっかけは、中学生の時とっても面白い文章を書くひと(ナンシー関さんです)を知って、夢中で読んでいる中で彼女がリスペクトする音楽家さんが『スズキケイイチ』というひとだと知ったからでした。
好きなバンドのツイッターアカウントをフォローするとそのスズキさんが気に入ったバンドを紹介しており、聞くとすぐに私も好きになりました。
たまたま近日来日公演があったため行き、人生初めてのライブに参加した後そのバンドの国のお菓子を買いました。買っている最中にお髭のかわいいバンドのフロントマンがにっこり笑って手を振ってくれました。
その『スタクラ』というバンドマンはもうこの世にはいません。『スズキケイイチ』さんの『ムーンライダーズ』も大好きになってからいっぱいライブに行けないまま二人メンバーが旅立ちました。ナンシー関さんは私が読み始めた時点で他界しています。
小学校の音楽室で一番好きな肖像画はハンサムなラヴェルでした。
ラヴェルは猫が大好きだったんだよと先生が教えてくれました。でも死んだ人の絵だから夜になったらユウレイが出るよとか、そんな話を私は勝手にしていました。死んだ人の絵が飾ってあって死んだ人の音楽を聴くようなことはまだ特別な、平成の年齢一桁だったと思います。
死んだ人の積層の上で暮らしていることにだいぶ慣れたなあと今思い付くまま書いていて気づきました。死んだ人の音楽と肖像画をセットで見ることにユウレイを感じていた時代はすごく短い期間しか許されないのでしょう。
ナンシー関さんが口語体で教えてくれたスズキケイイチさんが教えてくれたスタクラ、ケイイチさんのバンドのカシブチさんオカダさんそれにサカモトさんタカハシさん。それ以外にもたくさんの人が今の私にはまだ世界のどこかで音を奏でている人のような気がして、ユウレイは出そうにないまま積層になっていきます。ラヴェルが猫を好きなのも今知ったなら、世界の隣で猫を可愛がりながら音の粒を生み出しているひとと思えたのでしょうか。
今日教えてもらった人たちもまた、私が積層になるかあちらが積層になるかの時系列の中、世界の隣にいるひとだなあと思います。今のところはそれが楽しく、要約すると私は音楽をエピソード込みで好きになる方なのでしょう。教え合う鎖の中で生と死は曖昧です。
スタクラのアラマーイルマンヴァサラットのライブで買った『サルミアッキ』は普通に味が気に入ったのでその次の日オタクイベントの持ち寄り差し入れ菓子コーナーに入れました。次回のイベントからサルミアッキの持ち込みに釘を刺され、私は自分のお菓子の好みが人とズレていることを知りました。