週末行き詰まってお小遣いも乏しいと、飛び込み歓迎の短いワークショップに行ったりする。
日曜日は長机二つくらいで出来る簡易ワークショップ複数が集まったイベントへ行った。箔押しキーホルダーを作り、また同じ会場の一つのワークショップで色付きの蝋をアイロンで紙に浸透させ模様つき蝋引き紙を作り、別のワークショップへその紙を持ち込んでシルクスクリーンはんこを押してパターンをつけ、最後はノート綴じのワークショップでそれをミニノートに装してもらった。(すごい楽しかった)
ところで私は紙の同人誌を作る人間だ。年季が入っているので、小ロット注文を受けてくれる紙問屋に自分のセレクトで注文してスキャナーとphotoshopとillustratorでなんやかんやして大型ホチキスで綴じて押し切り裁断機(中古オフィス機具屋で購入)である程度化粧立ちや変形断裁して角丸機で切るまで出来る。もちろん印刷所で注文も……『100部超えないとこの注文は受けられませんえん!』とか言われない限りわりと躊躇いなくする。
箔押し専門工場にベクターで版下を送りつけて、押してもらった後の控えとして貰った版を『質感的に腐食版マグネシウムかな……』と思ったりする。
ワークショップでは出来合いの版を小型ホットスタンプ機でアクリル板へ押しこんで、それで『あなたの手作り箔押しキーホルダー』となる。色付き蝋をアイロンで染み込ませたら後は自分も知っている備え付けの器具をガチャコンガチャコンするだけで『あなたのオリジナルノート』になったりする。
知らないことを沢山知る。小型ホットスタンプ機で箔を押すのに44kgの握力薄弱な身体だとめちゃくちゃ力が要る上に、力加減と必要な押し時間が異なることだとか、「透明アクリル板に金銀の取り合わせにしたいっすね」と言ったら「金箔の裏面(接着面)は銀なので両面いいバランスで金箔押せば勝手に金銀になりますよ」と言われることだとか、本当に蝋が溶ける温度と、それから好きなマーブル模様を作るまでの時間がどのくらいだとか、既に切られた紙を貼り合わせて出来合いのスタンプを押すコラージュボックスショップで小さい子がどれだけ思いもよらない組み合わせをするかだとか。
何かを全部知っている場合のことは全部知らない身なので知らないが、「これもう知ってるはず」「もっと自分で作れるはず」の波間には絶対に知らないものが埋まっていて、そんなこっちの感想とは無関係に『今目の前に現れたもの』から絶対に違う何かを生み出しているひとがいる。
また同人誌の話に戻ります(本当はこっちがしたい)けど、同人誌が出したくてブラウザで使えるメーカーさんでタイトル文字を悩んでいるひと、boothで買えるテンプレートと印刷所さんのセットに悩んでTLに悩んでいるひと、めちゃくちゃ好きなんだな。共通お題がある上で最終的には絶対に『自分ではない』ものが生み出されて大切にされる環境がすごく好きなのだと思います。
ツールと素材は思考を延長するし楽しみを増やすけど、本質と入れ替わるものではなく並行するんだぜ!の心意気でいたいなあと思いました。
杉玉のおつまみ見る?