4頭目獲れました。ですがいい気分ではない結果。それと昔話。

iaru
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こんばんはいあるです。

先週のんびりと過ごさせていただきました。それはもうたくさんと!今週からラストスパート駆け巡りましょう。

平日の雪模様はすごかったようです。まだ雪が溶けていないところがありました。私の猟場は陽が入るため、霜が降りているぐらいでほとんど溶けていました。良かった。

さて、見回りですが今あるのは箱罠1つとくくり罠2つです。

箱罠は…うーん、食べている様子が伺えました。箱罠の中に足跡が見当たらないので、きっとシカかイノシシが首あるいは頭を伸ばして食べているのかしら。

経過観察すると面白いですが、掛け糸がほとんど見えている状態です。これ…ぬかを追加した方がいいのかな。分からないので、そのままにしておきます。

さて、次はくくり罠です。1つ目は猟期始めからかけたままなのですが何一つ変化していません。通っていないんですかね。悔しい。あまり使いたくない手段ではありますが…近くに巻き餌を与えて反応をみましょう。

2つ目はごく最近仕掛けた罠です。竹林に入るスレになります。はじめにかかった場所と同じスレ(獣道)となります。未だ歩いている形跡があるので、動物にとって大通りなのかもしれませんね。

以前、筍の新芽が出るころにイノシシがうろつくことを書いたと思います。罠を掘り返す賢い個体がいるため上手く掛かるか心配していましたが…

かかったのはメスジカでした。今期1番肉づきの良い個体です。

ただ、

ただ…

すでに亡くなっていました。

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くくっていたのは前脚の蹄。

ギリギリでした。

身体を触ってみると冷え切っていました。

おそらく、昨日の夜〜明け方に亡くなっているかと。これは憶測ですが。丸1日以上はこの状態だったと思います。

これは…初めてではありません。

すぐに行うことは「尻尾を切り取ること」です。私の地域では、シカまたはイノシシの尻尾を役場に持っていくとお金に変えてくれます。なので、尻尾が重要です。

なぜ1番に確認しないといけないか。

これはししょーに教えていただきました。野生の世界で、死体があると他の肉食動物は始めにお尻から食いつくそうです。外傷が大きくなければ、お尻の部分が1番肉が柔らかいからです。そこから内臓を喰らい、肉、骨へと食べあうようです。つまり、尻尾は始めのうちに捕食されます。報奨金の証拠がなくなるわけです。

すこし、昔話を書きます。長くなってしまいますがお付き合いくださいませ。

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罠猟師2年目、初めて罠で死なせてしまった時もメスジカでした。

この頃は罠をししょーの監修のもと、色んなところで罠を仕掛けることを練習?実践していました。

今の猟場近くに掛けていた場所でした。雪の降る中、仕掛けから1週間か2週間ほど短い期間でかかった記憶でした。

ししょーの受信機が鳴り、「え、もう反応あるの!?」と2人で顔を見合わせて、私がはじめに罠の近くを見に行くことになりました。罠の仕掛けで何がかかっているのかドキドキとわくわくで向かっていました。

私の目の前に現れたのは、身体が凍っているメスジカでした。

あまりにも予測していない結果に、私はどうすればいいか分かりませんでした。出来ることは、ししょーが来るのを待つことでした。

ししょーは先ほどの状況にすぐにシカの身体を触診していました。凍っているのが見てわかる状態だったので、いつかかったのかなど情報整理し、「おそらく1日前にかかり、夜の寒さと罠での怪我から衰弱が早くなった。また罠をかけたところが斜面だったので身体が動けなかったからだろう」でした。

これを聞いて私がまず思い浮かんだのが、

『なぜ昨日いなかったのか。ししょーは毎日見回りをしているのに、自分は週末にしか来ることが出来ない。

せめて、私が来るまで生きていてよ。』

でした。

最後の願いは傲慢ですね。自分の思い通りにはいかないことを理解しているのにも関わらず、願ってしまいました。

私は呆然とする中、ししょーは淡々と罠を外し、その他の罠道具を回収していきます。

ようやく私はシカに触れました。とても冷たい。凍ってます。この状態にしてしまったこと。罠をかけるところから捕獲し、肉を頂くことまでが果たさなくなった後悔が重くのしかかってきました。

殺すだけのは嫌なんです。獲れた肉をちゃんといただくことまでしてこそ、私が猟師としてやるべきことだと。そう信じて行動していたので。

ししょーが尻尾を取ろうとしたら、尻尾がありません。お尻の部分がかじられていたのです。

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その時に、前に書いた「肉食動物はお尻部分から食らう」ことを知ったのです。

すぐに尻尾を確認しました。

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…尻尾はありました。

つまり、死後経ってから1日以上経っていない。夜を超えていないはずです。

あの時にとれなかったものがあるだけで進歩したのかなと。それだけが救いでした。

亡くなったものは食肉として利用が出来ません。衛生面でももちろんですが、1番は肉が腐敗しているからです。

出来ることは、「土に埋めるか」「ゴミとして焼却場に出す」ことです。

はは…

こんな悲しいことありますか?

私はそれだけはしたくないと強く意志を持っています。最期まで面倒を見ること、それが出来ない不甲斐なさと自己嫌悪。

久々に感情にくるものがあります。泣きたいではなく、無力感というか。

シカの後処理は1人で行いました。

他の人に共有させてはいけないと。

結果、肉はダメでした。食肉だとしていたら10キロ弱はあったと思います。

週末猟師でなければ防げていたことでしょう。まあ100%とは言えませんが。

ですが、今期4頭目。

今までの猟期での、捕獲数最高タイです。(2年目4頭)

こうやって結果がちゃんと出ているのは、ありがたいことです。

ただ、全部シカなんですよね。イノシシも獲りたいところ。

ラストスパートまで頑張ります!

長くなってしまいました。ここまで読んでくださっている方がいましたら、両手で抱きしめたいくらいです。(嘘ですセクハラになりますよね)

暗い話になってしまいましたが、私が猟師として、こうありたいと軸を決めたきっかけになったことです。

すこしでも猟師について知ってもらえたら嬉しいです。

もうここで終わりたいところですが、あの後に罠を1つ掛けました!

また竹林の出入り口付近です。懲りないいあるさんですね。仕掛けるのに、3時間かかりました。懲りないですね。

また明日もう一つ罠をかけます。

それではおやすみなさい!

@iaru
はじめましていあるです。 週末に罠の猟師をしています。 狩猟関係のあれこれを筆に取っています。質問等のお便りはお気持ちだけいただきますのでご容赦くださいませ。