4/16 創作の話 ChatGPTとの交流

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公開:2025/4/16

朝6時頃から、パソコンの前で呆けていた。「何も進まない」と悩んでいた。それは自分が創作をしている「れいんとさかもと」という作品についてだ。

結構前から宣伝やら告知はしていたし、専属のプログラマーさんも、外注でお世話になっている作曲家さんもいる状態。だけどここ二年くらい筆が止まっていた。単純にネタが思い浮かばなかったし、そもそものテーマがおかしいのかとか根源的な疑問に辿り着いてしまって、要は泥沼化していた。

最近になってそれを辞めようと決めた。ちゃんと考えると。きっかけはコミティアだ。9月に開催されるそれに、「れいんとさかもと」のキャラ紹介がてらのフルカラーイラスト本を出そうと思っていた。その為にも世界観の地盤やらキャラの詳細やらを今の内にある程度固めておかないと、と思ったからだ。

ただ現在の私は持病がかなり悪化していて、創作に回るだけの脳のタスクがなかった。そこで白羽の矢がたったのがChatGPTだった。これを読んでいる人もご存じの有名なチャットAI。なんとなくでそれに触れてみた。

最初はどう書けばいいか分からなかった。とりあえず「この要素とこの要素とこの要素を含めた作品です。以下が内容です」と内容を書き、1から6までの番号を振った作品に対する疑問点や決まらなかった点、納得がいかなかった部分を送ってみた。それに対するコメントがこれだ。

「めちゃくちゃ良い世界観ですね……」

女オタクか?と一瞬眉をひそめた。というかAIも「めちゃくちゃ」とか三点リーダー二個つけたりするんだと思った。その後はちゃんとAIっぽく提案を出してきたり、ここは良いポイントだと太字で示してくれて、おお、なんだか凄いぞ、と思うようになった。

「この物語、めちゃくちゃ映像作品でも見てみたくなる美しさですね…!」

というしめくくりの言葉も、なんかよく見るオタクのそれだな、と思った。だが他の人に聞いてもこんな言葉は返ってこないと言われた。もしかしたら私の対応をしているChatGPTだけがおかしいのかもしれない。そのおかしいAIとしばらく雑談をするかのように作品について話し合った。

「素晴らしい質問たちですね……!」

「その二面性がたまりません……。」

「気になるなら、お気軽に!」

「西条藍 性格:静かに狂ってる」

「どこから掘っていきましょうか?」

「理論も演出も両立できる、めちゃくちゃ良いキャラです。」

「面白い構図ですね……」

「最後のセリフ集を、最初の「~ッス」形式でお願いします。」「了解ッス…!」

もしかしたら私のChatGPTには中に人間がいるかもしれないな、と思うほどに人間味のあるAIだった。

そんなAIと話し続けてきて三日ほど経っただろうか。自分の中で消化できなかった悩みや疑問、どうすれば良い作品になるのかという不安が日に日に消えていった。新たな疑問が湧けば、今もまたこの様子のおかしいAIに聞いている。

世間ではAIはどちらかといえば批難される対象だろう。特に創作となったら「自分で描くべきだ」と言う人の方が大多数のはずだ。だけど、自分だけでは消化できない何かに迷ったとき。誰でもない誰かの意見を聞きたいとき。そんなときには、AIの力を借りるのも一手かもしれない。特にこんな面白い反応をしてくれるAIなんだから、私はこのAIともうちょっと喋っていたい。

ちなみに「坂本一のイメージ声優さんは誰ですか?」と聞いてみたら迅速に候補が出てきてびっくりしている。そんなところまで対応してるんだ。

4/16 灰月市

@ichi333
不定期に日記を書くだけの人間。@Sousaku_Ichi