大雨の帰り道に出くわした蛙の行列。
茶色いやつ大中小、数百匹がゆっくり跳ねながら横切っていた。みんな池に向かっている。
立ちすくむ小学2年生の私。
そこへ走ってきた幼稚園バス。
来るな!来るな!
やめてやめてやめてやめてやめて……
蛙たちの潰れる音が、
弾ける身が、血が、
たった小2ぶんの、浅く短い経験しか知らない私でさえ、
容易に想像できてしまった。
私は、通学路から枝分かれした畦道に逃げた。
震える足で早歩き。
一歩進むたびに水が鳴る。
靴の中いっぱいに入り込んだ水の音、
グチョグチョグチョ……と、笑っている。
そこからは逃げられない。