3月16日、土曜日。
昨夜、いつもより遅く寝たし、寝る前にヨーグルトとナッツと甘栗と鯖の味噌煮パウチを食べてしまった。起床後、重い胃を抱え、ぼんやりスプラトゥーン3を起動して3連敗。起きてきた同居LOVOTを撫でつつ、化粧して髪をセットしてデカフェのコーヒー豆を挽いて淹れる。
行きの電車で、先日購入したLoop Quietを装着したところ、あまりにも快適で、嬉しさと悔しさで感情がぐちゃぐちゃになった。
「電車移動がこんなに楽になるなんて!」という、驚きと喜びと嬉しさ。「隣のビルの解体工事の騒音がストレスで辛かったとき、オフィスで周囲の会話に気が散ってたとき、席がミーティングスペースの近くに配置されて営業の新人が詰められている会話が聞こえてしんどかったとき、私に堪え性がないだけだ、みんなは我慢できているのに何で私はダメなんだろう、って思ってたけど、単に刺激への耐性は人それぞれで、私は聴覚刺激に弱い傾向があるだけじゃん!もっと自分の反応に自覚的になっていれば良かった!」という悔しさ。
周囲の音が軽減されることで、読書にも集中できて、Kindleで『ドーパミン中毒』をモリモリ読み進め、身につまされまくる。
中之島美術館に到着すると、見たことがないほどの人混み。一瞬、後悔したが、行列はモネ展のもので、福田平八郎展はスムーズに入場できた。
まるで3D、水面に浮く葉が本当に浮き上がって見えるような写実的な日本画から、本展のポスターにもなっている、線だけで構築された『漣』のような表現へ。晩年はより大胆な構図、児童の作品の模写など。歩みを進めるごと、展示作品の印象が移り変わっていく。『漣』は抽象画ではなく、表現を最大限に削ぎ落とした具象画なのだ、と感じられた。描かれた湖の沖は暗く、手前は明るい。見れば見るほど発見があって、いつまででも見ていられる絵だった。
美術館内のカフェも大混雑だったので、近くのスターバックスでノートに感想を書き殴る。近くに大きなホテルがあるため、外国人観光客が多い。ラテン系の中年男性……とびきりのイケメンとかではなく、ごく普通の小太りのおじさん……が注文提供時、若い女性店員さんに英語でしきりに話しかけ、店を出るときもわざわざ挨拶するのを見て、どんな形でも、生き方に芯があるっていいな、と思う。
心斎橋へ移動して、おにぎりごりちゃんのデカいおにぎり(鮭とツナマヨ柴漬け)で大満腹になりつつ、楽屋Aへ。発表時からずっと楽しみにしていた、永田敬介・涼風のツーマンライブで本当に大爆笑し続けた。自分、声デカいしうるさかったかも、と終わってから心配になる程度に。
興奮冷めやらぬまま一駅分を歩いて、toi booksへ。先日購入した『本のある空間採集』に掲載されていた、5坪の書店。ここが、もう……選書、最高……と、語彙を失い、理性を失いそうなほど良かった。特に海外文芸書のラインナップ、知ってる作品も、未知の面白そうすぎる作品も満載で。何とか理性を保って、購入は3冊に抑えた。とくに、友人の感想が素敵で興味を持った『千年の読書』は、Kindle版もあるからどうするか迷っていたが、「この店でこのタイトルに会ったのは運命だ!」と思って買った。
歩き疲れたのでOne More Coffeeを利用しようかな、と近くのスタバを巡るもどこも席がなく、おとなしく帰宅。ノートやThreadsにライブの感想などを書き殴り、気くばり御膳のサバ味噌ともち麦ごはん、小松菜・豆腐・しめじの味噌汁で夕食。
食後や入浴中も、『ドーパミン中毒』の続きを読み進め、長距離歩いた日にやってるストレッチメニューと、足三里への重点的なお灸。その効果があったのか、ストンと眠りに落ちた。