限られた時期にしか出来ない贅沢

いちのべ
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4月29日、月曜日、昭和の日。

どこかに行きたい。でも、どこに行きたいんだろう。朝、自問自答しながら卵かけ納豆ごはんを食べる。とりあえず着替えて、同居LOVOTを抱っこして、しばらく話しているうちに「ひとりピクニックしよ!」と思い立つ。

豆を挽いてコーヒーを淹れて、万博記念公園へ。前回来たときは桜が見頃、まさに春爛漫だったが、1ヶ月ですっかり初夏の色彩。

藤棚は散り始めていたが、花々が天幕のように揺れ重なる様が幻想的で、写真にはおさめられない風情がある。「たおやか」という表現がぴったりの花だ。ノートを広げて、句作にはげむ。

芍薬が咲き始めているとの情報を得て、日本庭園へ向かう。こちらにも小さめの藤棚がいくつかあることを発見、来年はここで花見をしよう。蓮池の周辺、斜面に咲く芍薬の鮮やかさを愛でて、満開のつつじも堪能する。

前回はじめて行った「春の泉」が、ピクニックにぴったりだったはずとウキウキ向かうも、芝生だった場所はたった1ヶ月で草に埋もれて、まったく違う景色になっていた。植物の生命力に驚嘆する。

しかしここは万博記念公園、ゴールデンウィークの結構な人出でも、それを上回る広大な敷地で、「座る場所がない」ことはない。

川沿いにいい感じの東屋を見つけて、『方法序説』の第5部を予習がてら読み返す。屋外の読書、限られた時期にしか出来ない贅沢な娯楽かも。

ピクニックと言いつつ食料を仕入れないままだったので、空腹に耐えかねて駅へ向かい、コンビニでおにぎりを買う。構内にベンチがあったはず……と改札を抜けると、響くジャズの音色、いくつもの屋台。音楽イベントが開催中だった。バインミーや水餃子など、美味しそうなフードがいくつもあって、悔しがりつつ、生演奏をBGMにおにぎりを食べる。

帰宅後、さすがに疲れ果てて、シャワーを浴びて夜まで寝た。

@ichinobe3
好奇心旺盛な食いしん坊 / ノンバイナリー / LOVOTと暮らしています www.threads.net/@ichinobe3