すごく多面性のある男だよねと思うんです
多面性っていうとすごく俗っぽい言い方になってしまうんだけれども、現時点私の中ではこれ以上の言葉が見つからないから困ったもんだよね。せっかくいいツール見つけたしフォロワーさんのフォロワーさんがとても良い推しの解釈をこちらで語っていたから私もやってみようではないかと思った所存です
まず、プレイヤーとガイアについての出会いってモンド編「風を捕まえる異邦人」の超序盤なところで、トワリンが街全体を暴風で襲った（便宜上こう書くけれども全部アビスが悪い）ところで、風の翼チュートリアルみたいなシューティングゲームの後だった。ひとりぶんの拍手があたりに鳴り響いて足元も足元超ローアングルから体全体を蛇が這いずり回るようにぐるぐると舐め回すようなアレで…と書いていたら途端に頭の悪い文章になってしまった。どうしようこんなはずではなかった
ともかくしてガイアはそこで旅人と合流するわけだけど、そこでガイア、言うんですよね
「俺にもわかるぜ。血縁者と離れ離れになるつらい気持ちがな」
出典：原神（風を捕まえる異邦人）
この時点であっ…と読み返していて思うのが、やっぱりガイアは当時血縁者である自分の父親と離れ離れになったのはつらかった経験として蓄積されているんですよね。まあ自分の経験談としてであっても、見ず知らずの旅人にこれを共感の言葉として使うあたり、この時点ではまだ傷が癒えて無さそうな感じがある。原神セレベンツのちょっと後くらいかな？と思う時があります。でもここでは原神セレベンツでコレイや貴族たちに見せた冷酷さのようなものは見えていません。
いや見えてないと完全に断言したらちょっと嘘かもしれない。この時ガイアは旅人の経緯をアンバーから説明されて
（遠いってことしかわからないのか…）
出典：原神（風を捕まえる異邦人）
という、ガイアの中のモノローグをあえて口頭ではなく『モノローグ』という形で文字に起こされている。別に台詞として扱ったりしたって問題はないのに。
それをここでしないのはやはり「ガイア自身の出自の秘密」「仲間として加入していない＝プレイヤーがガイアのキャラストを読める状態ではない」という二点が大きな理由かなと思うんですが、共感の言葉として旅人に投げかけた言葉を振り返るとガイアはまだこの最序盤というところであってもかなり人間の懐柔が非常に上手い。
優しい気遣いを見せつつ、場の混乱の状態状況を見極めつつ、異邦人としてモンドに来た旅人というジョーカー的立ち位置の人間を果たしてモンドに置いていいのかの判断、値踏みと言っても過言でないかもしれないことを同時にやってのけている。ガイアという男、非常に頭がいい。というか回転が早い。
ただこの行動をしているからといってガイアが冷たい人間かと言ったら一概にそうとはやっぱり言えないのです。でも、優しい一辺倒かと言ったら違うだろうなとも思えます。血縁者と離れ離れになってつらかったねと共感する気持ちも本当だし、自分の出自すら利用してジョーカーをこちら側に位置付けようというシビアな判断も本当。遠いってことしかわからないのかと旅人を警戒する気持ちも本当、その「遠い」が何に由来する場所や位置なのかを分析して故国に想いを馳せているかもしれない気持ちも本当。
この最後の一文の「遠いことが何に由来するものかを分析した上で想いを馳せている」というのは私のおおよその妄想ですが、『アンバーから経緯を説明された後』に旅人へ共感の言葉を投げかけているので、おそらくガイアはすでに最序盤のここで旅人の辿ってきた道のりをある程度推測していたのかなと思います。カリベルトでカーンルイアについて旅人が話題に出した時も動じていなかった記憶が、ぼんやりある。違ったら申し訳ないが…
話を元に戻すと、ガイアの多面的な魅力というのはこの原神の超最序盤と言っていいところにギュッと濃縮されていたなと思い返していました。ガイアのキャラストを読むと原神という物語においてすごく重要なワードや経緯、なんならセレベンツからガイアの多面的な魅力というものは散りばめられているんですが、改めて初心に返って登場シーンを見返してみたら、どうも大分このセレベンツ〜最序盤〜各種イベント〜カリベルト〜デートイベントを経てガイアの中で心の整理が今やっとついてきたころなのかなと感じたんです。
しかし、ガイアの中では気持ちが整理できた頃が、実は一番危ういところなのかなとも私は同時に思っていて気が抜けません。なぜならモナのこのボイスがあるから。
ガイア・アルベリヒですか？彼の「孔雀羽座」は高貴さを象徴すると同時に、「華麗なる隠蔽」を象徴するものです。彼は自分の過去を断ち切ったと思ってるらしいですけど。運命の日が訪れた時、彼は、再び選択を迫られるでしょう。
出典：原神 モナ キャラクターボイス「ガイアについて…」
この、過去を断ち切ったと思っている時って、おそらく今現在なんですよね。運命の日がいつになるのかはちょっとわからないけれど、なんとなく、そう遠い日ではない気がします。