先日、こういった投稿をみかけました
この数字だけで高齢者のリハビリの意味・意義について語れるでしょうか?
もちろん「意味がない」という主張は難しいですが、このデータで「あれ?意味あるの?検証が必要?」と問題提起することができるかどうかはしっかり考えておきたいところです
最近では何かの主張をする際にソースを求められることがありますが、ソースがその主張にマッチしているかどうかを見極めることも重要です
ということで、私なりの考えをまとめます
まず🐏さんは寝たきりの高齢者の人数が多いことから本邦における高齢者に対するリハビリの有効性を疑問視されています
では、「寝たきりの高齢者の人数が多い」ことだけで本邦における高齢者に対するリハビリの有効性を疑問視できるでしょうか?
答えはNoです
なぜかというと、寝たきりの高齢者の人数が多いからと言って、その国における寝たきり高齢者が多いとは限らないからです
↑
ちょっとよくわからないですよねw
分かりやすく言えば、高齢者全体のなかで寝たきり高齢者数がどのくらいを占めるかによって、寝たきり高齢者が多いかどうかが判断できるということです
実際の数字を見てみましょう
公的なサイトが発表している2010年の高齢者の数を調べてみました
🇯🇵|2,958万人
🇺🇸|3,852万人
🇬🇧|998万人
🇩🇰|93万人
🇸🇪|169万人
※🇸🇪のみ2009年
日本って世界トップの超高齢社会と言われてますよね?
でもアメリカの方が高齢者数は多いです
じゃあ、アメリカの方が高齢化してるんじゃないの?とはなりませんよね
人口が違うからですね
同様に考えてみます
本邦における2010年の寝たきり高齢者数のデータがなかったので、他の年次のデータから2010年の寝たきり高齢者数を予測してみると、200万人でした
🇯🇵の寝たきり高齢者数を200万人とした場合、羊さんの引用しているグラフから算出すると、各国の寝たきり高齢者数は、、、
🇯🇵|200万人
🇺🇸|40万人
🇬🇧|66万人
🇩🇰|32万人
🇸🇪|20万人
となります
高齢者のうち、寝たきり高齢者の割合
🇯🇵|6.8%
🇺🇸|1.0%
🇬🇧|6.6%
🇩🇰|34.4%
🇸🇪|11.8%
こうみるとどうでしょう?
デンマークの寝たきり高齢者の割合ってめちゃくちゃ多いですよね
そして、日本って結構頑張ってる方じゃない?とも言えます
🐏さんが高齢者に対するリハビリの有効性に主眼を置いていたので、「高齢者に対する寝たきり高齢者の割合」を算出しました
が、もし健康寿命延伸に対するリハビリの有効性というテーマであれば、「人口に対する寝たきり高齢者の割合」を算出した方がいいかもしれません
もちろん、本当の意味でリハビリの有効性を議論したいのであれば、
リハビリを受けた高齢者全体のなかで寝たきり高齢者がどのくらいいるかをみないといけませんし、国別の比較であれば医療・介護のシステムも考慮しないといけません
このあたりは高尾先生やお豆腐さんがコメントくださったものが参考になります
が、より確かなデータをもとにして検証しようとすると、議論のきっかけにするのが難しくなります
どのようなデータがあれば、自分が主張したいことを聞いてもらえるかを考えられるスキルも必要だなと思った次第です
ぜひいろいろ考えてみてくださいね!